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Case

株式会社西武ホールディングス

「西武らしさ」を通じたグループの価値向上に向けて―SSBJクイックアセスメント支援

  • SSBJクイックアセスメント

鉄道やホテル、商業施設など日常の移動や暮らしを支えるサービスから、西武ライオンズや横浜八景島など観光・レジャー・スポーツを通じた体験まで、幅広い領域で社会に価値を提供する西武グループ。

そんな西武グループの持株会社としてグループ各社を統括する株式会社西武ホールディングスは、2035年までの長期戦略において、サステナビリティアクションの推進をグループの成長と企業価値向上の鍵と位置づけ、マテリアリティ(重要課題)を設定し、各種取り組みを進めている。

プライム市場上場企業を対象とした新たなサステナビリティ開示基準(SSBJ基準)への対応義務化が見込まれるなか、GXコンシェルジュは、株式会社西武ホールディングスに対して「SSBJクイックアセスメントサービス」を通じた開示方針・戦略策定の支援を実施。

 

今回、経営企画本部 経営戦略部でサステナビリティの取り組みを牽引する皆さまに、SSBJ基準対応における課題やプロジェクトの成果、今後の展望についてお話を伺った。

株式会社西武ホールディングス

株式会社西武ホールディングスご担当者(写真左から:猪飼氏、鷲澤氏、周氏、竹内氏)

株式会社西武ホールディングス

経営企画本部 経営戦略部(※組織・役職は取材時点)

課長 猪飼 隆生
マネジャー 鷲澤 麻衣
主任 周 靜藝
竹内 優
  • ホテル・レジャー
  • 不動産
  • 運輸
課題

早ければ20283月期からSSBJ基準に準拠した情報開示が適用される見通しであるなか、自社の事業特性やこれまでの取り組みを活かした対応を行いたいと考えていたが、何から始めればよいかわからず対応方針が漠然としていた。対応方針の検討にあたっては、自社がこれまで有価証券報告書や統合報告書などで行ってきた情報開示がSSBJ基準に対してどこまで適合できているかが不透明だった。そのため、まずは現状を正しく把握し、課題の全体像を明らかにする必要があった。

支援概要
  • 既存の開示情報とSSBJ基準との差異分析ならびに対応課題の整理
  • 今後のSSBJ基準への対応に向けたロードマップの策定
  • 経営層向け勉強会等
成果
  • SSBJ基準対応に向け、自社の事業特性・実態を踏まえた対応要否と優先順位を明確化した上で、取り組むべき具体的なアクションを確立
  • 経営層向け勉強会実施により、SSBJ基準対応への社内の共通理解を促進

課題

サステナビリティ推進の背景と、SSBJ基準への対応指針

 

西武グループは、2024年度からスタートした長期戦略において、2035年度までにグループ全体でどのような成長を遂げるかを描き、6つのマテリアリティを設定している。経営戦略部の猪飼課長は、「マテリアリティへの取り組みは西武グループの価値の源泉につながる。これを推進していくことがサステナビリティ経営において最も重要であり、成長の鍵である」と語る。

 

一方で、SSBJ基準への対応については、大きな課題を抱えていた。SSBJ基準では、自社のビジネスモデルおよびバリューチェーンに影響を与え得るリスクおよび機会に関する情報を開示することが求められていて、気候関連については従来のTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)開示と共通している部分も多いが、SSBJ基準では気候関連以外のサステナビリティ全般におけるリスクおよび機会に関する情報の開示も求められている。SSBJ基準に準拠した開示は法定開示かつ適用開始の翌年から限定的保証の取得が義務付けられているため、対応が不十分だった場合は社内外の関係者にも影響が及ぶことが想定される。同社はすでに有価証券報告書などで一定の情報開示を行っていたものの、これまでの開示に向けた取り組みが、SSBJ基準に対してどこまで通用するのかが不透明だったという。経営戦略部の鷲澤マネジャーは当時の状況を次のように振り返る。

 

「具体的に何から始めればいいのかを明確にできず迷っていた。情報を集めるのが大変だという話ばかりが先行し、不安だけが募っていくような状況だった。そうしたなかで、GXコンシェルジュは『何から始めるべきか』に対して非常に明確な指針を示してくれたのが、支援を依頼する大きな決め手となった。」

株式会社西武ホールディングス 経営戦略部 鷲澤マネジャー

支援概要

基準対応からシステム化の方向性まで。実態に即した対応の見極めを支援

 

「自社に合った対応方法を検討するために、まずは現状を把握したい」という同社のニーズに対し、GXコンシェルジュは「SSBJクイックアセスメントサービス」を提供。有価証券報告書や統合報告書、ウェブサイト等での既存の情報開示がSSBJ基準に準拠できているかのギャップ分析を行い、今後の対応方針および対応ロードマップを包括的に検討する支援を行った。

 

支援において同社が特に価値を感じたのは、単にSSBJ基準の項目一つ一つを綿密に検討するだけではなく、自社の事業特性やこれまでの取り組みに即した「注力すべき対応の明確化」が提示された点だという。

 

猪飼課長は「GXコンシェルジュは、優先的に対応しなければならない項目を示してくれた上で、複数の対応案が考えられる項目に対しては我々の事業特性やこれまでの取り組みを踏まえた合理的かつ現実的な対応方針を示してくれた。これが非常にありがたかった。」と振り返る。

 

例えば、ガバナンスやリスク管理領域の対応においては、社内規程を改定するという根本的な対応方針案が考えられるが、同社の意向や社内状況を踏まえて、社内規程の範囲や解釈を確認し、監査人・保証人が確認できるような文書として取りまとめるという対応方針案も提示した。

 

また、プロジェクトの進め方についても評価の声が寄せられた。プロジェクト前半はスピードを重視してオンライン中心で全体像の説明や討議を実施した後、後半は対面での振り返りセッションを設定。クライアント側の理解度や反応に合わせて、膝を突き合わせて綿密なコミュニケーションをとることで、不明点や疑問がその場で解消され、円滑なプロジェクト推進へとつながった。

株式会社西武ホールディングス 経営戦略部 周主任

成果

「西武らしさ」を伝える開示戦略の土台を構築

 

SSBJクイックアセスメントプロジェクトを通じて、現在の取り組みで十分な部分と不足している部分が明確になり、同社が今後取るべき具体的なアクションとロードマップが確立された。さらに、プロジェクトの最終段階で実施された経営層向けの勉強会は、社内の意識向上に大きく貢献した。

 

「勉強会では『非常によく分かった』と役員陣から高い評価を得た。対応が不十分だった場合に社内外に対してどのような悪影響が生じる恐れがあるのかについての危機感が醸成され、その後のサステナビリティ委員会での議論の活性化につながっている。」と鷲澤マネジャー。

 

SSBJ基準への対応方針が明確になった今、同社は次のフェーズを見据えている。 猪飼課長は今後の展望について「多くのアセットを持ち、地域住民の方々との接点も多岐にわたる我々の事業は、社会に不可欠なサービスを提供している。沿線の住みたいまちづくりや自然を活かしたリゾート開発など『西武らしさ』のある事業を行い、グループ全体の企業価値向上につなげていくことが重要だと考えている。SSBJ基準に準拠した情報開示などを通じて『西武らしさ』の価値を社会に示していきたい」と力強く語った。

株式会社西武ホールディングス 経営戦略部 猪飼課長

 

最後に、SSBJ基準への対応を検討している企業に向けては、「考えるより始めた方が早いこともある。基準を額面通りに受け取るとハードルを高く感じるが、現状とギャップを把握し、ゴールから逆算して考えることで、必要な対応が明確になる。まずは一歩を踏み出すことが重要だ」とメッセージが送られた。

西武ホールディングス・GXコンシェルジュ・アビームコンサルティング※の担当者(写真左から:GXコンシェルジュ 矢崎、アビームコンサルティング 張本、西武ホールディングス 猪飼氏、鷲澤氏、周氏、竹内氏、GXコンシェルジュ 入江、真野) ※本案件はGXコンシェルジュとアビームコンサルティングが一体で支援