導入実績

Case

住商モンブラン株式会社

業界の環境取り組みを牽引する存在へ―CFP算定支援

  • CFP算定

創業75年を迎えた住商モンブラン株式会社は、食品工場・飲食・医療業界を中心に、ユニフォームやリネン製品の企画・製造・販売を展開。業界に先駆けて、PETボトル再生繊維を使ったユニフォームの製品開発やカーボンオフセットの活用など、持続可能なモノづくりを推進してきた。

 

創業100周年に向けて環境価値の訴求を強化するなか、今回GXコンシェルジュとして、GHG排出量の可視化に向けてCFP(カーボンフットプリント)の算定を支援した。今回は、取締役 企画・生産本部長 兼 経営企画室長の遠藤氏、経営企画室 室長付の添田氏、営業第二部 第4チーム チームリーダーの深見氏に、同社のGX推進の背景と今後の展望についてお話を伺った。

住商モンブラン株式会社

住商モンブラン株式会社 ご担当者 (写真左から:添田氏、深見氏、遠藤氏)

住商モンブラン株式会社

経営企画室

室長(取締役、企画・生産本部長) 遠藤 圭悟
室長付 添田 知之

営業第二部 第4チーム

チームリーダー 深見 知博
  • 繊維製品
課題

脱炭素やCFP算定にいち早く着手してきたものの、生産体制の変化や世の中の要請の高度化に対応するには、より精緻かつ根拠ある排出量データの整備が求められていた

支援概要
  • ユニフォーム6製品、リネン4製品を対象に、製品別のCFPを算定
  • 原材料調達から廃棄・リサイクルまでの各工程におけるインプット・アウトプットを整理したライフサイクルフロー図の整理
  • CFPガイドラインや製品カテゴリルールに基づいて各工程での排出量の算定ロジックおよび算定シナリオを策定
成果
  • 体系的な検討・確認に基づく、製品ごとの温室効果ガス排出量を算定
  • 自社で従来対応していた範囲からスコープを拡大し、商品ライフサイクル全体でより正確で信頼性の高いデータ整備を実現
  • 検討した算定ロジックで再算定が可能な簡易ツールを提供し、社内での自走体制を支援
  • 社内向け勉強会の実施により、全社へのアウトプット共有とGX意識の醸成を促進

課題

業界のリーディングカンパニーとして、環境価値のさらなる可視化へ

白衣を原点とし、食品・医療・飲食業界向けのユニフォーム製造・販売を手がける住商モンブラン株式会社は、早くから環境配慮型のモノづくりに取り組んできた。使用済みPETボトル由来の再生繊維活用をはじめ、ISO14001の取得や再生紙・ベジタブルインクの導入など、20年以上にわたり継続的な環境対策を講じてきた実績を持つ。

 

一方で、業界全体で見ると依然として環境対応の浸透が十分とは言えず、「環境への配慮そのものを企業価値として訴求できるか否か」が新たな差別化の鍵になるという認識が社内にあった。
2010年からカーボンオフセットに取り組んできたが、現在のバリューチェーン全体を通じた排出量を正確に算定し、環境価値を見える化することを急務としていた。そのタイミングでGXコンシェルジュとの出会いがあった。」と遠藤氏。

 

経営企画室の添田氏も、これまでの取り組みから一歩踏み込む必要性をこう指摘する。
「これまではお客様の要望に応じてカーボンクレジットを付与してきたが、今後は一部に組み込んでいるカタログ定番商品の展開を拡大し、別注案件でも積極的に提案するほか、ユニフォームが使用された後のリサイクルシステムも含めたライフサイクル全体での環境影響を考慮するなど、業界でナンバーワンと呼ばれる取り組みを目指し、先を見据えた施策を検討している。」

 

営業第二部の深見氏は次のように話す。
「リネン製品はホテルなどでの利用を想定すると洗濯回数が多く、製品使用時の排出量も多くなる。インバウンド需要が高まる中で、環境配慮が選定理由のひとつとなることも十分に考えられ、社会の変化に柔軟に対応する必要があると感じていた。」

住商モンブラン株式会社 深見氏

支援概要

最新のバリューチェーンに対応したCFP算定支援と、自走可能な基盤構築

GXコンシェルジュは、住商モンブランのバリューチェーン全体を俯瞰し、国内・中国・パキスタンといった複数の製造拠点別にCFPを算定。ユニフォームやリネン資材など多岐にわたるアイテムを対象に、温室効果ガスの排出量を定量的に可視化した。

加えて、将来的な商品展開や営業提案にも柔軟に対応できるよう、検討した算定ロジックに基づき、重量や面積などの活動量を入力することで排出量を自動算出できる簡易ツールを提供。社内で再算定が可能となる運用の自走化を支援した。

 

添田氏は「どのアイテムでどこまで算定するかといった初期段階からGXコンシェルジュと議論を重ね、最適な算定方針を共に導き出した。プロジェクトは常に柔軟かつオンタイムで進行し、定例会を通じて進捗も可視化された。最終的には社内向け勉強会も実施いただき、全社的な理解醸成にもつながった」と振り返る。

住商モンブラン株式会社 添田氏

 

また、各部署からは必要なデータが迅速に集まり、社内向け勉強会では社員が自分たちの出したデータがどのように算定に活用されているかを理解しようと積極的に参加する姿が見られた。こうした現場の協力体制が、プロジェクトの円滑な推進につながった。

深見氏は「製品ごとに素材や使用量が異なるなか、重さや工場規模の違いをどう反映するか不安もあったが、根拠となる算定資料を提示いただいたことで、今後自分たちでも算出できるという手応えを得た」と語る。

支援をスムーズに進められた背景には、住商モンブランがこれまで業界に先駆けて環境対応を着実に進め、情報やデータを丁寧に整備してきた土壌がある。

 

GXコンシェルジュ側では、経済産業省や業界団体のCFPガイドラインをはじめ、大学研究や製品カテゴリルール(PCRProduct Category Rule)など多様な情報に基づいて算定手法を検討。多方面からの検証を重ねることで、信頼性の高い算定ロジックを構築した。

遠藤氏は「今回は、いわゆるゆりかごから墓場まで”―つまり原材料の調達から製造、物流、使用、廃棄に至るまで、製品ライフサイクル全体を対象にCFPを算定した。ユニフォームは繰り返し洗濯される特性上、使用段階での排出量が大きくなる傾向があり、それが今回の可視化によって明確になった」と言及。

CFP算定を行った自社製品を手にプロジェクトを振り返る深見氏・添田氏

成果

環境価値を訴求する“強み”を確立。業界全体への波及も視野に

今回の算定支援により、住商モンブランは製品ごとの正確な温室効果ガス排出量を可視化し、カーボンクレジットの設計・活用における基盤を整備。算定結果の活用もすでに始まっており、環境価値の提供を新たなビジネスチャンスの創出にもつなげていく段階にある。

 

遠藤氏は「環境価値へのニーズは徐々に、しかし着実に高まっている。これを我々の強みに変えていくための基礎となるのが、今回のCFP算定と捉えており、GXコンシェルジュの支援により、その土台を固めていただいた。しかし、本当に重要なのはこれからの取り組みであり、求められたから対応するのではなく、企業として自ら一歩を踏み出す姿勢が問われている」と語る。

添田氏も「住商モンブランとして環境への取り組みは20年以上に及ぶが、ユニフォーム業界全体への浸透はまだまだ。当社が業界のスタンダードを牽引する存在となっていきたい」と強い決意を語った。

 

現在は、カーボンクレジット付与対象商品のさらなる拡大や、環境負荷の情報を加味した提案活動の高度化に向けた取り組みを進行中。創業100周年という節目を見据え、ユニフォームの品質とともに環境価値を提供する企業として、名峰「モンブラン」に由来する社名にふさわしい、高みを目指した挑戦が続いている。

住商モンブラン株式会社 遠藤氏

環境価値を軸に、次の一手を議論する様子